2020-12-23から1日間の記事一覧
「おはよう堤下L。」「おせーぞ手下L!」「お早う御座います堤下Lさん♪」「堤下Lさん!この間の領収書の事ですが……」「堤下L!」「手下L!」「て~し~た~Lぅぅぅぅぅ!」「堤下Lさ~ん♪」「……」 翌日、誰もいない冷たいベッドで独り目覚め、トボト…
ふわふわと海の中に漂ってるかのようなこの感覚…… 薄暗いっすがぼんやりと温かい、明るい闇に覆われいるかのようなこの視界…… 俺はまた夢を見てるっすね…… 全身を覆うこの気だるい倦怠感……でもそれは、決して不快な感覚ではないのだったっす……。 その海の底…
俺の放った『巨人の聖鎚(トールハンマー)』をまともに喰らい、風陀羅は息も絶え絶えで倒れているっす。 命を失わずに耐え凌いだのはさすがっすが、もう戦う力が残っていないのは一目瞭然だったっす。 俺の身体もさすがにダメージが深かったっすが、『金剛壁…
俺の放った『巨人の聖鎚(トールハンマー)』をまともに喰らい、風陀羅は息も絶え絶えで倒れているっす。 命を失わずに耐え凌いだのはさすがっすが、もう戦う力が残っていないのは一目瞭然だったっす。 俺の身体もさすがにダメージが深かったっすが、『金剛壁…
何故……何故なの?! 栄と刃を交えているはずの兄さんの視線が、幾度となくあたしの視線とぶつかっては離れていく……。 ぶつかる視線には、あの狂気じみた光はなく、何故か寂寥と哀愁を感じさせるのだ……何故なの?! 胸の奥がザワザワとざわめく……。 本当にこ…
「母なる大地の精霊よ……我と結びし契約を礎に、床闇に沈みし汝が僕(しもべ)を我が元へ……大地讃鍾!」 そう唱えて地面に右手で触れると、俺を中心に澄んだ鐘の音が鳴り響き、地面に波紋が広がったっす。―キィィィン― その途端、急激に俺の周りの気圧が下がり…
風陀羅の大鎌が風を薙いで樹里に襲い掛かる。 樹里はその刃の悉くを避けてはいるものの、決して余裕をもって…というわけではない。むしろ、避けることに成功してしるのは、風陀羅が手加減しているからであろう。「……どうした、樹……よもや能力(ちから)の使い…
あたしは栄に甘えすぎていたんだ……。 出会えたことがあまりにも嬉しくて、会った瞬間全てを栄に委ねちゃっていた……。 夢の事……自分が化け物である事で悩んでいた日々の中での唯一の光明……。 なんでこんなにも胸が疼くのかは分からない。 でも、父さん達の化…
(……樹……。) その名前は、鎌鼬に襲われた帰りに、意識を失った樹里がうなされたように口にした名前だったっす。「それがあなたの名前?」「……分かんない……。」 そう言って再び俯く樹里だったっすが、少し落ち着いて来たのか、ポツリポツリと語り始め、一通…
ふわふわとして現実味の無いこの感覚……。 今ならどこまででも行けそうなのに、何故か思うように身体を動かせないこのもどかしさ……。 そうか……俺はまだ夢の中に居るっすね……。 願わくば、このもどかしいほどの幸福感が、出来るだけ永く続いて欲しいっす……。「…
俺は風を纏って人の目を欺きながら、妖気を辿って夜道を走ったっす。 風で気配を乱して人の目を眩ます術なんすけど、今回は襲撃者に備えての用心っす。 妖気の元にに近づくにつれ、血臭が強くなっていくっす。少なくとも10人以上の犠牲者が既に出てると見…
「……」 腕の中の半裸な樹里の姿を視認した途端、金城さんを取り巻く空気が、一気に氷点下へと陥った様だったっす。 ……こ、怖いっす……腕の中の樹里も恐怖で打ち震えているっすよぉぉぉぉぉ!!「か、金城さん!勘違いはいかんっすよ!!これにはマリアナ海溝…
部屋の中にはいると、少女は安心したのか直ぐに俺の上着から手を離して解放してくれたっす。「取り敢えず、そこのソファーにでも座ってくつろぐっす。」 俺は少女にそう言うと、台所でジュースを用意して戻ったっす。 ジュースをテーブルに置くと、俺は少女…
「はぁはぁはぁはぁはぁ……」 俺は追っ手を、街中グルグル走り回って何とか撒くと、両手を膝について呼吸を整え始めたっす。 やけに元気な警官だったっす……撒くのに一時間も走り続けなきゃなんなかったっす……。「はぁはぁはぁ…はぁ~……」 俺は最後に大きく息…
「うぃ~す……どうせ俺は手下Aっす……いつまで経っても手下Aっす……ヒック……どうあがこうと手下Aっす……俺は永遠に手下Aっすぅぅぅぅぅ!……ヒック……」 俺の名前は手下A……じゃなかった…堤下栄っす。以後お見知り置きをっす。 水無月の兄貴に誘われて今日も合…
月下の白刃 「……っ!!篤郎!!」「……」「篤郎……一体……」「俺だよ……」「っ!!に、兄さ…!……その血……」「だから俺がやった……篤郎を殺したのは……里の皆を殺したのはこの俺だ。」「な…ぜ……何故!」「自分の強さを知る為に。」「……え?…そん…な…事の……為に?そ…